「傑作」の映像化は難しい……「プラネテス」のアニメ第一話を見て
昨日、NHK衛星第二の新番組「プラネテス」の放送が始まった。久しぶりの「本格SF」アニメ(の匂い)の登場ということで、かなり期待して見た。
感想は、「???」である。ある友人が「まるで『パトレイバー』みたいで失望しました」と語っていたが、確かにその通り。「宇宙開発」と「警察」というそれぞれなじみのない素材を扱う場合に、それを「会社」組織に置き換え、「新人OLの奮戦記」として描く、という実に似た手法をとっている。考えてみれば、確かテレビ版のパトレイバーは同じサンライズ制作だったような気がする。
結果としてどうなっているか、というなら「人はなぜ宇宙を目指すのか」という大命題を哲学的とも言うべき真摯なアプローチで描いた原作の「香り」は、アニメ版には(少なくとも1話には)かけらもなかった。「パトレイバー」というよりは、「研修医ななこ」あたりのほうが雰囲気が近いかもしれない。
で、思い出すのが「レンズマン」のアニメ版である。新訳版「ファーストレンズマン」のあとがきで、堺さんが実に見事に書いているが(余談だが、アニメ版レンズマンは、なぜか別のアメコミ『グリーンランタン』の要素で作っている、という分析には感心した。このあとがきだけでも、新訳版を買う価値はありますぜ)、アニメ版の最大の問題は、「選りすぐられたエリートがレンズマン」という設定を「偶然レンズを入手したただの少年がレンズマンになる」という正反対の設定に「大改悪」していることである。
当時から、本当に義憤にかられていたのだが、考えてみれば、あれはあれで、なじみのない世界を一般の観客にわかりやすくするための作り手の精一杯の努力の現れだったのかもしれない。
そういう意味では、今回の「プラネテス」も同じなのだろう。原作の通りでは、SFに興味のない視聴者にはとっつきにくいという判断から、善意での改悪(まだ断言できないが)を施したという。
それにしても、よくできた原作の映像化は本当に難しい。じゃあ、「プラネテス」が原作の通りやっていたら、どう思ったか。「なんだ、原作と同じじゃん」とかえって批判の対象になったかもしれない。
「銀河英雄伝説」とか「タッチ」の映画第一弾とかいろいろな例を思い出しながら、非常に悩んでしまった。
成功例としては、「うる星やつら」だろうか。原作が名作で、アニメは原作から大きく逸脱したにもかかわらず、それはそれで傑作として歴史にも残った。
「うる星」も放送開始当初は不調だったことを思い出すと、とにかくこの「プラネテス」も、もう少し様子を見てみよう、と思っている。
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